朝倉先生

7a9dca8b · o.kimura · d46e6b06 · 7a9dca8b · 7a9dca8b · 7a9dca8b
Commit 7a9dca8b authored Dec 21, 2021 by o.kimura
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     <div class="section">
      <div class="content">
-              <p>＜はじめに＞<br>
+       <p><b>＜はじめに＞</b><br>
        2020年の温水洗浄便座の一般世帯への普及率は80.2%にのぼります（内閣府・消費動向調査）。オフィスやホテルなど公共の場にも多く設置され、使用習慣のある方は多いでしょう。一方、雑誌やインターネット記事などで、温水洗浄便座使用の健康影響が話題になることがあります。特に、洗い過ぎによる皮膚の問題や、感染症にかかる可能性はしばしば取り沙汰されます。そこで本稿では、人を対象とした、温水洗浄便座の健康影響に関する研究を2つご紹介します。</span></p>
       <p class="conditioned mt20 mb20">
        <img src="/trend/images/data10/10_1.png" alt="" />
       </p>
-              <p>＜温水洗浄便座の使用と早産に関する研究＞<br>
-                　研究結果の概要紹介ページはコチラから
-                <span class="link_type_b"><a href="/trend/study/study02-1.html">妊婦における温水洗浄便座の使用が早産および膣内細菌叢に与える影響（2013年3月受理）</a></span>
-              </p>
      </div>
     </div>
     <!--section -->
     <div class="section">
      <div class="content">
-              <p>一つ目は、妊娠中の温水洗浄便座使用が、その妊婦さんの膣内細菌叢(そう)に影響するか、また早産の原因となるかを検討した研究です<sup>1)</sup>。女性の膣内には、ラクトバチルス属を主とする細菌がいわゆる”善玉菌”として存在します。こういった細菌の集団を「細菌叢(そう)」と言い、良い状態に保たれていれば、感染症の原因になる細菌や真菌（カビの仲間）が増えるのを抑えてくれます。温水洗浄便座で女性が局部を洗うと膣内の善玉菌を洗い流してしまい、結果として悪玉菌が増えるのか（この状態は細菌性膣症と言われます）、さらにその結果として妊娠中の女性では早産が多くなるのかを調べました。</p>
+       <p><b>＜温水洗浄便座の使用と早産に関する研究＞</b><br>
+        研究結果の概要紹介ページはコチラから
+        <span class="link_type_b"><a href="/trend/study/study02-1.html">妊婦における温水洗浄便座の使用が早産および膣内細菌叢に与える影響（2013年3月受理）</a></span>
+       </p>
+       <p><br>一つ目は、妊娠中の温水洗浄便座使用が、その妊婦さんの膣内細菌叢(そう)に影響するか、また早産の原因となるかを検討した研究です<sup>1)</sup>。女性の膣内には、ラクトバチルス属を主とする細菌がいわゆる”善玉菌”として存在します。こういった細菌の集団を「細菌叢(そう)」と言い、良い状態に保たれていれば、感染症の原因になる細菌や真菌（カビの仲間）が増えるのを抑えてくれます。温水洗浄便座で女性が局部を洗うと膣内の善玉菌を洗い流してしまい、結果として悪玉菌が増えるのか（この状態は細菌性膣症と言われます）、さらにその結果として妊娠中の女性では早産が多くなるのかを調べました。</p>
       <p class="txt_c mt30 mb30">
        <img src="/trend/images/data10/10_2.png" alt="" width="264" height="auto" />
@@ -137,16 +138,10 @@
       </p>
       <p class="txt_r mt20 mb20"><img src="/trend/images/data10/10_4.png" alt="" /></p>
-              <p>＜温水洗浄便座の使用と痔・尿路感染症に関する研究＞<br>
+       <p><b>＜温水洗浄便座の使用と痔・泌尿生殖器感染症<br>　に関する研究＞</b><br>
-                　関連する研究結果の概要紹介ページはコチラから</p>
+        関連する研究結果の概要紹介ページはコチラから</p>
       <span class="link_type_b"><a href="/trend/study/study02-3.html">温水洗浄便座の使用と痔疾、泌尿生殖器感染症との関係：3年間追跡web調査（2018年2月受理）</a></span>
-            </div>
+       <p><br>二つ目は、一般の人たちにおいて、温水洗浄便座使用と痔（男女）、泌尿生殖器感染症（女性のみ）の発症に関係があるかどうかを検討した研究です<sup>2)</sup>。温水洗浄便座はボタンを押すだけで手軽に局部を洗うことができるため、洗い過ぎによる健康問題が起こらないかどうかは気になるところです。この研究では、Web調査会社の登録者から無作為に選ばれた10305人（20歳以上80歳未満の男女）を対象に、2013年にインターネット調査を行いました。質問票では、温水洗浄便座の使用頻度、および、痔や泌尿生殖器感染症（ぼうこう炎、腎盂腎炎、カンジダ膣炎、細菌性膣症）と医師に診断されたことがあるかどうか、またそれらの病気でおこりうる自覚症状があったかどうかを尋ねました。さらに、2016年に再度調査を行い、2013年から2016年の3年間に、痔および肛門周囲のかゆみ（男女）、泌尿生殖器感染症および外陰部掻痒(そうよう)症（かゆみ）（女性のみ）の診断または自覚症状があったかどうかを尋ねました。</p>
-          </div>
-          <!--section -->
-          <div class="section mt20">
-            <div class="content">
-              <p>二つ目は、一般の人たちにおいて、温水洗浄便座使用と痔（男女）、泌尿生殖器感染症（女性のみ）の発症に関係があるかどうかを検討した研究です<sup>2)</sup>。温水洗浄便座はボタンを押すだけで手軽に局部を洗うことができるため、洗い過ぎによる健康問題が起こらないかどうかは気になるところです。この研究では、Web調査会社の登録者から無作為に選ばれた10305人（20歳以上80歳未満の男女）を対象に、2013年にインターネット調査を行いました。質問票では、温水洗浄便座の使用頻度、および、痔や泌尿生殖器感染症（ぼうこう炎、腎盂腎炎、カンジダ膣炎、細菌性膣症）と医師に診断されたことがあるかどうか、またそれらの病気でおこりうる自覚症状があったかどうかを尋ねました。さらに、2016年に再度調査を行い、2013年から2016年の3年間に、痔および肛門周囲のかゆみ（男女）、泌尿生殖器感染症および外陰部掻痒(そうよう)症（かゆみ）（女性のみ）の診断または自覚症状があったかどうかを尋ねました。</p>
       <p class="txt_c mt20 mb20"><img src="/trend/images/data10/10_4.png" alt="" /></p>
@@ -162,11 +157,12 @@
       <p class="txt_c mt20 mb20"><img src="/trend/images/data10/10_1.png" alt="" /></p>
      </div>
+     </div>
     <!--section -->
     <div class="section">
      <div class="content">
-                <p>＜まとめ＞<br>
+       <p><b>＜まとめ＞</b><br>
        温水洗浄便座の健康影響を検討した二つの研究をご紹介しました。両方の研究に携わった私としては、普通の健康状態の人が普通の使い方をしていれば、温水洗浄便座は健康に良くも悪くもないと考えています。<br>
        普通の水道水で手を洗うことを考えても、洗い過ぎれば手荒れすることがあります。また、水道水は完全に無菌ではありません。体を細菌やウイルスなどの外敵から守る免疫機能が大きく障害されている人（例えばがんで化学療法をした後などのごく特殊な状態を指します）では、水道水を使うことが問題になることもあります。「適切な使い方」「使う人の健康状態」を考える必要はありますが、それらがクリアされていれば温水洗浄便座を使うか使わないかは個人の嗜好にゆだねても問題ないと考えられます。</p>
      </div>
@@ -175,7 +171,7 @@
     <!--section -->
     <div class="section">
      <div class="content">
-                <p>＜参考文献＞<br>
+       <p><b>＜参考文献＞</b><br>
        1) Asakura K et al. Effect of Bidet Toilet Use on Preterm Birth and Vaginal Flora in Pregnant Women. Obstet Gynecol 2013;121:1187–94.<br>
        2) Asakura K et al. Relationship between bidet toilet use and haemorrhoids and urogenital infections: a 3-year follow-up web survey. Epidemiol Infect. 2018;146:763-70.</p>
      </div>
@@ -184,9 +180,10 @@
     <!--section -->
     <div class="section">
      <div class="content">
-                <p>温水洗浄便座の使い方に関するページのご紹介<br>
+       <p>
+       <h4>温水洗浄便座の使い方に関するページのご紹介</h4><br>
       （一般社団法人　日本レストルーム工業会からのお知らせなど）</p>
-                <p>工業会からのお知らせはコチラから<br>
+       <p><br>工業会からのお知らせはコチラから<br>
        <span class="link_type_b"><a href="https://www.sanitary-net.com/information/information359">温水洗浄便座の使用上のご注意について</a></span>
       </p>
       <p><br>女性専門医の方々にお訊きした女性の悩みや病気と温水洗浄便座の適切な使い方についてはコチラから<br>

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     <div class="section">
      <div class="content">
-              <p>＜はじめに＞<br>
+       <p><b>＜はじめに＞</b><br>
        2020年の温水洗浄便座の一般世帯への普及率は80.2%にのぼります（内閣府・消費動向調査）。オフィスやホテルなど公共の場にも多く設置され、使用習慣のある方は多いでしょう。一方、雑誌やインターネット記事などで、温水洗浄便座使用の健康影響が話題になることがあります。特に、洗い過ぎによる皮膚の問題や、感染症にかかる可能性はしばしば取り沙汰されます。そこで本稿では、人を対象とした、温水洗浄便座の健康影響に関する研究を2つご紹介します。</span></p>
       <p class="conditioned">
        <img src="/trend/images/data10/10_1.png" alt="" />
       </p>
-              <p>＜温水洗浄便座の使用と早産に関する研究＞<br>
-                　研究結果の概要紹介ページはコチラから
-                <span class="link_type_b"><a href="/trend/study/study02-1.html">妊婦における温水洗浄便座の使用が早産および膣内細菌叢に与える影響（2013年3月受理）</a></span>
-              </p>
      </div>
-            <p class="pagetop clear"><a href="#container" class="pageLink">ページ上部へ</a></p>
     </div>
     <!--section -->
     <div class="section">
      <div class="content">
-              <p>一つ目は、妊娠中の温水洗浄便座使用が、その妊婦さんの膣内細菌叢(そう)に影響するか、また早産の原因となるかを検討した研究です<sup>1)</sup>。女性の膣内には、ラクトバチルス属を主とする細菌がいわゆる”善玉菌”として存在します。こういった細菌の集団を「細菌叢(そう)」と言い、良い状態に保たれていれば、感染症の原因になる細菌や真菌（カビの仲間）が増えるのを抑えてくれます。温水洗浄便座で女性が局部を洗うと膣内の善玉菌を洗い流してしまい、結果として悪玉菌が増えるのか（この状態は細菌性膣症と言われます）、さらにその結果として妊娠中の女性では早産が多くなるのかを調べました。</p>
+       <p><b>＜温水洗浄便座の使用と早産に関する研究＞</b><br>
+        　研究結果の概要紹介ページはコチラから
+        <span class="link_type_b"><a href="/trend/study/study02-1.html">妊婦における温水洗浄便座の使用が早産および膣内細菌叢に与える影響（2013年3月受理）</a></span>
+       </p>
+       <p><br>一つ目は、妊娠中の温水洗浄便座使用が、その妊婦さんの膣内細菌叢(そう)に影響するか、また早産の原因となるかを検討した研究です<sup>1)</sup>。女性の膣内には、ラクトバチルス属を主とする細菌がいわゆる”善玉菌”として存在します。こういった細菌の集団を「細菌叢(そう)」と言い、良い状態に保たれていれば、感染症の原因になる細菌や真菌（カビの仲間）が増えるのを抑えてくれます。温水洗浄便座で女性が局部を洗うと膣内の善玉菌を洗い流してしまい、結果として悪玉菌が増えるのか（この状態は細菌性膣症と言われます）、さらにその結果として妊娠中の女性では早産が多くなるのかを調べました。</p>
       <p class="txt_c mt30 mb30">
        <img src="/trend/images/data10/10_2.png" alt="" width="264" height="auto" />
@@ -170,41 +169,43 @@
        <span class="link_type_b"><a href="/trend/study/study02-1.html#hyograph">妊婦における温水洗浄便座の使用が早産および膣内細菌叢に与える影響（2013年3月受理）　表とグラフ</a></span>
       </p>
-              <p>細菌検査の結果から細菌性膣症の状態であると判断された人の割合は、使用者で20.3%、非使用者で20.7%であり、温水洗浄便座使用と細菌性膣症とのあいだに関連があるとは言えませんでした。一方、膣内から真菌（主にカンジダ属）が見つかった人の割合は、使用者で15.6%、非使用者で12.1%と使用者で高いという結果でした。しかし、妊娠中に真菌の治療薬が処方された人の割合は使用者で6.4%、非使用者で5.7%であり、差はありませんでした。カンジダは常在菌といって、健康な人の体からも見つかる真菌です。妊娠中に温水洗浄便座を使っていると、検査でカンジダが見つかる可能性が高くなるかもしれませんが、治療しないといけないほどにはならないのだろうと考えられます。<br>
+       <p><br>細菌検査の結果から細菌性膣症の状態であると判断された人の割合は、使用者で20.3%、非使用者で20.7%であり、温水洗浄便座使用と細菌性膣症とのあいだに関連があるとは言えませんでした。一方、膣内から真菌（主にカンジダ属）が見つかった人の割合は、使用者で15.6%、非使用者で12.1%と使用者で高いという結果でした。しかし、妊娠中に真菌の治療薬が処方された人の割合は使用者で6.4%、非使用者で5.7%であり、差はありませんでした。カンジダは常在菌といって、健康な人の体からも見つかる真菌です。妊娠中に温水洗浄便座を使っていると、検査でカンジダが見つかる可能性が高くなるかもしれませんが、治療しないといけないほどにはならないのだろうと考えられます。<br>
        まとめると、妊娠中に温水洗浄便座を使っても使わなくても、早産となる割合に違いはありませんでした。細菌性膣症と判断される割合にも違いはありませんでした。真菌（カンジダ）が見つかる可能性は温水洗浄便座の使用者で多かったですが、治療を必要とした人の割合に違いはありませんでした。この研究の対象者は大学病院で出産された方で、一般の妊婦さんよりも合併症のある方などを多く含みます。そういった、周囲の環境の影響をより受けやすいと考えられる妊婦さんでも早産率などに違いがなかったということは、一般の妊婦さんでも結果は同じであろうと予想されます。
       </p>
       <p class="txt_c"><img src="/trend/images/data10/10_4.png" alt="" /></p>
+       <p class="pagetop clear"><a href="#container" class="pageLink">ページ上部へ</a></p>
-              <p>＜温水洗浄便座の使用と痔・尿路感染症に関する研究＞<br>
-                　関連する研究結果の概要紹介ページはコチラから</p>
-              <span class="link_type_b"><a href="/trend/study/study02-3.html">温水洗浄便座の使用と痔疾、泌尿生殖器感染症との関係：3年間追跡web調査（2018年2月受理）</a></span>
      </div>
     </div>
     <!--section -->
     <div class="section">
      <div class="content">
-              <p>二つ目は、一般の人たちにおいて、温水洗浄便座使用と痔（男女）、泌尿生殖器感染症（女性のみ）の発症に関係があるかどうかを検討した研究です<sup>2)</sup>。温水洗浄便座はボタンを押すだけで手軽に局部を洗うことができるため、洗い過ぎによる健康問題が起こらないかどうかは気になるところです。この研究では、Web調査会社の登録者から無作為に選ばれた10305人（20歳以上80歳未満の男女）を対象に、2013年にインターネット調査を行いました。質問票では、温水洗浄便座の使用頻度、および、痔や泌尿生殖器感染症（ぼうこう炎、腎盂腎炎、カンジダ膣炎、細菌性膣症）と医師に診断されたことがあるかどうか、またそれらの病気でおこりうる自覚症状があったかどうかを尋ねました。さらに、2016年に再度調査を行い、2013年から2016年の3年間に、痔および肛門周囲のかゆみ（男女）、泌尿生殖器感染症および外陰部掻痒(そうよう)症（かゆみ）（女性のみ）の診断または自覚症状があったかどうかを尋ねました。</p>
+       <p><b>＜温水洗浄便座の使用と痔・泌尿生殖器感染症に関する研究＞</b><br>
+        　関連する研究結果の概要紹介ページはコチラから</p>
+       <span class="link_type_b"><a href="/trend/study/study02-3.html">温水洗浄便座の使用と痔疾、泌尿生殖器感染症との関係：3年間追跡web調査（2018年2月受理）</a></span>
+       <p><br>二つ目は、一般の人たちにおいて、温水洗浄便座使用と痔（男女）、泌尿生殖器感染症（女性のみ）の発症に関係があるかどうかを検討した研究です<sup>2)</sup>。温水洗浄便座はボタンを押すだけで手軽に局部を洗うことができるため、洗い過ぎによる健康問題が起こらないかどうかは気になるところです。この研究では、Web調査会社の登録者から無作為に選ばれた10305人（20歳以上80歳未満の男女）を対象に、2013年にインターネット調査を行いました。質問票では、温水洗浄便座の使用頻度、および、痔や泌尿生殖器感染症（ぼうこう炎、腎盂腎炎、カンジダ膣炎、細菌性膣症）と医師に診断されたことがあるかどうか、またそれらの病気でおこりうる自覚症状があったかどうかを尋ねました。さらに、2016年に再度調査を行い、2013年から2016年の3年間に、痔および肛門周囲のかゆみ（男女）、泌尿生殖器感染症および外陰部掻痒(そうよう)症（かゆみ）（女性のみ）の診断または自覚症状があったかどうかを尋ねました。</p>
       <p class="txt_c mt20 mb20"><img src="/trend/images/data10/10_5.png" alt="" /></p>
-              <p>2013年と2016年の調査の両方に参加し、分析の対象になったのは7759人でした。そのうち、習慣的に温水洗浄便座を使用していた人は、男性で51.8%、女性で48.5%でした。過去に痔になったことのある人は男女とも温水洗浄便座使用者で多かったですが、調査で経過観察を行った3年間に新たに痔と診断されたり、痔の自覚症状が出現したりした人の割合は使用者と非使用者の間で違いはありませんでした。一方、肛門周囲のかゆみ（自覚症状）の、追跡期間中の新たな出現は、男性において温水洗浄便座使用者で多いという結果でした（女性では違いなし）。女性のみで検討された尿路感染症や婦人科系の病気のうちでは、過去に膀胱炎、カンジダ膣炎と診断された経験のある人は温水洗浄便座使用者で多いという結果でした。しかし、追跡期間3年間のうちにこれらの病気を新たに診断された、もしくは自覚した人の割合は、温水洗浄便座使用者でも非使用者でも違いはありませんでした。</p>
+       <p>2013年と2016年の調査の両方に参加し、分析の対象になったのは7759人でした。そのうち、習慣的に温水洗浄便座を使用していた人は、男性で51.8%、女性で48.5%でした。過去に痔になったことのある人は男女とも温水洗浄便座使用者で多かったですが、調査で経過観察を行った3年間に新たに痔と診断されたり、痔の自覚症状が出現したりした人の割合は使用者と非使用者の間で違いはありませんでした。一方、肛門周囲のかゆみ（自覚症状）の、追跡期間中の新たな出現は、男性において温水洗浄便座使用者で多いという結果でした（女性では違いなし）。女性のみで検討された尿路感染症や婦人科系の病気のうちでは、過去に膀胱炎、カンジダ膣炎と診断された経験のある人は温水洗浄便座使用者で多いという結果でした。しかし、追跡期間3年間のうちにこれらの病気を新たに診断された、もしくは自覚した人の割合は、温水洗浄便座使用者でも非使用者でも違いはありませんでした。<br></p>
-              <p>関連する研究結果の概要紹介ページはコチラから<br>
+       <p><br>関連する研究結果の概要紹介ページはコチラから<br>
        <span class="link_type_b"><a href="/trend/study/study02-3.html#graph">温水洗浄便座の使用と痔疾、泌尿生殖器感染症との関係：3年間追跡web調査（2018年2月受理）　グラフ</a></span>
       </p>
-            </div>
-            <p>過去に痔のあった人や尿路感染症を経験した人が温水洗浄便座の使用者で多かったという結果は、因果の逆転という現象を見ている可能性があります。つまり、温水洗浄便座を使ったから痔や尿路感染症になったのではなく、痔や尿路感染症があったために温水洗浄便座の使用をしている、ということです。一方で、3年間の追跡期間中の新たな病気の出現は、検討したほとんどの病気について温水洗浄便座を使っていても、増えることも減ることもありませんでした。一つだけ、男性では、温水洗浄便座使用者の中で新たに肛門周囲のかゆみを自覚された方が多かったので、洗い過ぎ、あるいは排便を促すなどの手段としての温水洗浄便座の使用には気を付ける必要があるかもしれません。</p>
+       <p><br>過去に痔のあった人や尿路感染症を経験した人が温水洗浄便座の使用者で多かったという結果は、因果の逆転という現象を見ている可能性があります。つまり、温水洗浄便座を使ったから痔や尿路感染症になったのではなく、痔や尿路感染症があったために温水洗浄便座の使用をしている、ということです。一方で、3年間の追跡期間中の新たな病気の出現は、検討したほとんどの病気について温水洗浄便座を使っていても、増えることも減ることもありませんでした。一つだけ、男性では、温水洗浄便座使用者の中で新たに肛門周囲のかゆみを自覚された方が多かったので、洗い過ぎ、あるいは排便を促すなどの手段としての温水洗浄便座の使用には気を付ける必要があるかもしれません。</p>
       <p class="txt_c mt20 mb20"><img src="/trend/images/data10/10_1.png" alt="" /></p>
       <p class="pagetop clear"><a href="#container" class="pageLink">ページ上部へ</a></p>
      </div>
+     </div>
     <!--section -->
     <div class="section">
      <div class="content">
-              <p>＜まとめ＞<br>
+       <p><b>＜まとめ＞</b><br>
        温水洗浄便座の健康影響を検討した二つの研究をご紹介しました。両方の研究に携わった私としては、普通の健康状態の人が普通の使い方をしていれば、温水洗浄便座は健康に良くも悪くもないと考えています。<br>
        普通の水道水で手を洗うことを考えても、洗い過ぎれば手荒れすることがあります。また、水道水は完全に無菌ではありません。体を細菌やウイルスなどの外敵から守る免疫機能が大きく障害されている人（例えばがんで化学療法をした後などのごく特殊な状態を指します）では、水道水を使うことが問題になることもあります。「適切な使い方」「使う人の健康状態」を考える必要はありますが、それらがクリアされていれば温水洗浄便座を使うか使わないかは個人の嗜好にゆだねても問題ないと考えられます。</p>
      </div>
@@ -213,7 +214,7 @@
     <!--section -->
     <div class="section">
      <div class="content">
-              <p>＜参考文献＞<br>
+       <p><b>＜参考文献＞</b><br>
        1) Asakura K et al. Effect of Bidet Toilet Use on Preterm Birth and Vaginal Flora in Pregnant Women. Obstet Gynecol 2013;121:1187–94.<br>
        2) Asakura K et al. Relationship between bidet toilet use and haemorrhoids and urogenital infections: a 3-year follow-up web survey. Epidemiol Infect. 2018;146:763-70.</p>
      </div>
@@ -222,12 +223,12 @@
     <!--section -->
     <div class="section">
      <div class="content">
-              <p>温水洗浄便座の使い方に関するページのご紹介<br>
+       <p><h4>温水洗浄便座の使い方に関するページのご紹介</h4>
        （一般社団法人　日本レストルーム工業会からのお知らせなど）</p>
-              <p>工業会からのお知らせはコチラから<br>
+       <p><br>工業会からのお知らせはコチラから<br>
        <span class="link_type_b"><a href="https://www.sanitary-net.com/information/information359">温水洗浄便座の使用上のご注意について</a></span>
       </p>
-              <p>女性専門医の方々にお訊きした女性の悩みや病気と温水洗浄便座の適切な使い方についてはコチラから<br>
+       <p><br>女性専門医の方々にお訊きした女性の悩みや病気と温水洗浄便座の適切な使い方についてはコチラから<br>
        <span class="link_type_b"><a href="/trend/study_01.html">専門医に訊く（女性のための）温水洗浄便座の適切な使い方</a></span>
       </p>
      </div>